お気に入りのフィロデンドロン・バーキン、もっと増やしてみたいけど、やり方が分からない…
下手に切って枯らしてしまったらどうしよう?
そう思う方もいるかもしれません。
フィロデンドロン・バーキンを増やすのは、実はそれほど難しくありません。ポイントは「挿し木」と「株分け」という2つの方法を正しく理解し、適切な時期に行うことです。
この記事では、初心者の方でも安心して挑戦できるよう、フィロデンドロン・バーキンの増やし方を写真付きの全手順で詳しく解説します。
- フィロデンドロン・バーキンを増やす方法は「挿し木」と「株分け」の2種類
- 作業に最適な時期は、成長が活発になる5月〜8月
- 清潔な道具を使い、正しい手順を踏むことで成功率が格段にアップする
- 増やした後の親株・子株のケア方法もわかる
フィロデンドロン・バーキンの増やし方とは?挿し木と株分けの基本を解説

「増やしたいけど、何から始めればいいか分からない…」と感じていませんか?
ご安心ください。この記事を読めば、具体的な手順と成功のコツが分かります。
- 増やすのに最適な季節と準備しておくべき道具
- 方法その1:挿し木・水差しの具体的な手順と成功のコツ
- 方法その2:株分けのやり方と植え替えのタイミング
- 剪定はどこを切る?増やした後のための切り戻し術
- 作業後の親株はどうする?負担を減らすアフターケアの方法 さっそく、基本から見ていきましょう。
増やすのに最適な季節と準備しておくべき道具

フィロデンドロン・バーキンを増やす作業は、植物の生命力が最も高まる5月〜8月の成長期に行うのがベストです。
この時期は気温が高く、植物が活発に成長するため、カットした茎から根が出たり、株分け後の回復が早かったりと、成功率が格段に上がります。
逆に、冬場の休眠期は成長が止まるため、作業は避けるのがおすすめ。
作業を始める前に、以下の道具を準備しておくとスムーズに進みます。
特に、病気の感染を防ぐためにハサミは清潔なものを用意することが重要です。
清潔な剪定バサミの選び方とお手入れ方法は、「剪定バサミの選び方と手入れ方法」で詳しく解説しています。
道具 | 目的・ポイント |
---|---|
清潔な剪定バサミ | 茎や根をカットします。病気予防のため、使用前にアルコールで消毒しましょう。 |
新しい鉢 | 増やした株を植えるために使います。株の大きさに合ったサイズを選びます。 |
観葉植物用の土 | 水はけの良い新しい土を用意します。 |
鉢底石・鉢底ネット | 鉢の底に敷き、水はけを良くして根腐れを防ぎます。 |
コップや瓶 | 水差しをする場合に使います。透明な容器だと発根の様子が観察できて便利です。 |
手袋 | 樹液で手がかぶれるのを防ぎます。 |
方法その1:挿し木・水差しの具体的な手順と成功のコツ

挿し木(水差し)は、カットした茎から新しい株を育てる方法で、特に初心者の方におすすめです。
手順は以下の通りとてもシンプル。
元気の良い茎を選んでください。
葉からの水分蒸発を抑え、発根にエネルギーを集中させるためです。
毎日水を替えて清潔に保つのが、成功させるためのコツです。
数週間すると、節から白い根が伸びてきます。
用意した鉢に鉢底石と土を入れ、根を傷つけないように優しく植え付けます。
植え付け後は、水をたっぷりと与え、根が安定するまでは日陰で静かに見守りましょう。
上記の手順を読んでも「どこを切ればいいか不安…」という方は、「バーキンの剪定で失敗しないコツ」も併せて確認しておくと安心です。
方法その2:株分けのやり方と植え替えのタイミング

株分けは、大きく成長した株を分割して増やす方法です。
鉢の中で根がいっぱいになる「根詰まり」を起こしている場合や、株の形を整えたい植え替えのタイミングで行うのが最適です。
根が張っている場合は、鉢の側面を軽く叩くと取り出しやすくなります。
手で簡単に分けられることもありますが、難しい場合は清潔なハサミで根を切り分けても問題ありません。
このとき株の大きさに合った鉢を選ぶことが大切。大きすぎる鉢は土が乾きにくく、根腐れの原因になるため注意が必要です。
植え付け後は、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与え、新しい環境に慣れるまで日陰で管理してください。
剪定はどこを切る?増やした後のための切り戻し術

「どこを切ればいいか分からない」というのは、多くの人が抱く不安だと思います。
フィロデンドロン・バーキンを剪定する際のポイントは、「節(ふし)」と「気根(きこん)」です。
節は葉の付け根にある少し膨らんだ部分で、ここから新しい芽や根が出てきます。
気根は茎から伸びる茶色い根のことで、これも発根のサインです。
増やすために茎をカットする場合は、この節の少し上を狙って切りましょう。
こうすることで、残した親株側の節からも新しい芽が出やすくなります。
また、伸びすぎた部分を整える「切り戻し」を行うことで、親株の形を美しく保つだけでなく、風通しが良くなり病害虫の予防にも繋がります。
切った枝は、そのまま挿し木に利用できるので一石二鳥です。
作業後の親株はどうする?負担を減らすアフターケアの方法

挿し木や株分けで子株を増やした後は、親株のケアも忘れてはいけません。
剪定や株分けをされた親株は、人間でいうと手術後のようなデリケートな状態のため、作業後は特に丁寧なケアを心がける必要があります。
- 直射日光の当たらない明るい日陰で、静かに休ませる
- 水やりは土の表面がしっかり乾いてから与える
- 肥料は、新しい芽が伸び始めるまでは与えない
まずは、直射日光の当たらない明るい日陰で、静かに休ませてあげましょう。
体力を消耗しているため、強い光はストレスになります。
水やりも、土の表面がしっかり乾いてから与える程度にし、少し控えめにするのがポイント。
肥料は、新しい芽が元気に伸び始めるまでは与える必要はありません。
適切なケアをすれば、親株は1〜2ヶ月ほどで切り口の近くから新しい芽を出し、再び元気に成長を始めます。
焦らず、ゆっくりと回復を見守ってあげてください。
親株を健康に保ちつつサイズをコントロールするコツは、「バーキンの成長速度と管理法」で詳しくまとめています。
フィロデンドロン・バーキンの増やし方で失敗しないためのコツと注意点

「増やした株が枯れたらどうしよう…」と不安になりますよね。
大丈夫です。いくつかの注意点を知るだけで、失敗はぐっと減らせます。
- 葉が白くならない・茶色くなる原因と対策
- 大きくなりすぎ!伸びすぎ・倒れる前の対処法と仕立て直し
- 最適な置き場所は?日陰や室内での光量について
- 気根が出てきたらどうする?切っても大丈夫?
- 枯れる・葉が溶けるのを防ぐ水やりの頻度と注意点
失敗しないためのコツを、一つずつ見ていきましょう。
葉が白くならない・茶色くなる原因と対策

フィロデンドロン・バーキンの魅力は、なんといっても白い斑(ふ)が入った美しい葉です。
しかし、「新しい葉が白くならない」「葉の先が茶色く変色してきた」といったトラブルも少なくありません。
これらの原因を知り、正しく対処することが大切です。
症状 | 主な原因 | 対策 |
---|---|---|
新芽が白くならない | 日照不足 | レースカーテン越しの明るい場所に移動させる。ただし、急に強い光に当てると葉焼けするので徐々に慣らす。 |
葉が茶色くなる | ・葉焼け:直射日光が当たっている ・根腐れ:水のやりすぎ | ・葉焼けの場合:より日当たりの弱い場所に移動させる。 ・根腐れの場合:水やりの頻度を見直し、土が乾いてから与えるようにする。 |
特に、白い斑が出ないのは日照不足が原因であることがほとんどです。
かといって、強い直射日光は葉焼けを引き起こし、葉を茶色く変色させてしまいます。
美しい葉を保つには、適切な光の量を確保することが何よりも重要です。
大きくなりすぎ!伸びすぎ・倒れる前の対処法と仕立て直し

フィロデンドロン・バーキンは成長するにつれて、茎が上に伸びていく性質があります。
しかし、日照不足などの環境では、間延びしてひょろひょろと伸びてしまう「徒長(とちょう)」という状態になりがちです。
徒長の原因とリセット方法を詳しく知りたい方は、「徒長して広がる原因と対処法」もチェックしてみてください。
株が伸びすぎてバランスが悪くなったり、自重で倒れそうになったりした場合は、「仕立て直し」を行いましょう。
仕立て直しとは、伸びすぎた茎を適切な位置でカットする剪定作業のこと。これにより、全体の高さを抑え、バランスの取れた美しい樹形に戻すことができます。
カットした茎は、前の章で解説した「挿し木」に利用すれば、株を増やしながら樹形も整えられるので一石二鳥。
また、株が不安定な場合は、支柱を立てて支えてあげるのも有効な手段となります。
最適な置き場所は?日陰や室内での光量について

フィロデンドロン・バーキンを元気に育てるには、置き場所が非常に重要です。
最適なのは、直射日光を避けた「明るい日陰」です。
室内であれば、レースのカーテン越しに柔らかな光が入る窓辺などが理想的。
「日陰でも大丈夫?」という質問もよくありますが、ある程度の耐陰性はあるものの、暗すぎる場所では美しい白い斑が出にくくなります。
また、徒長の原因にもなるため、できるだけ明るい場所で管理してあげるのがおすすめです。
注意点として、エアコンの風が直接当たる場所は避けてください。
葉が乾燥し、傷んでしまう原因になりますので、植物にとって快適な、風通しの良い穏やかな環境を選んであげましょう。
気根が出てきたらどうする?切っても大丈夫?

育てていると、茎の途中から茶色い根のようなものが伸びてくることがあります。
これは「気根(きこん)」と呼ばれるもので、空気中の水分を吸収したり、体を支えたりする役割を持っています。
見た目が気になるかもしれませんが、気根は植物の成長に必要な器官なので、基本的には切らずにそのままにしておくのがベストです。
無理に切ってしまうと、そこから雑菌が入る可能性もゼロではないため、もし、どうしても気になる場合は、清潔なハサミでカットしてください。
株自体がすぐに枯れることはありません。
気根が長く伸びてきたら、土の方へ誘導してあげるのも一つの手です。
土に根付くことで、株全体がより安定し、元気に成長する助けとなります。
枯れる・葉が溶けるのを防ぐ水やりの頻度と注意点

フィロデンドロン・バーキンが枯れる最も多い原因は、「根腐れ」です。
これは、水のやりすぎによって土が常に湿った状態になり、根が呼吸できずに腐ってしまうことで起こります。
葉が黄色く変色したり、溶けるように枯れてきたりしたら、根腐れのサインかもしれません。
根腐れを防ぐための水やりの基本は、「土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与える」ことです。
そして、受け皿に溜まった水は必ず捨ててください。
これを徹底するだけで、根腐れのリスクは大幅に減らせます。
水やりの頻度は季節によって調整が必要です。
成長期の春から夏は土が乾きやすいので回数は多めに、成長が緩やかになる秋から冬は、土が乾いてから2〜3日後を目安に、水やりの頻度を減らしていきましょう。
フィロデンドロンバーキンの増やし方とは挿し木と株分けの全手順のまとめ
今回は、フィロデンドロン・バーキンの増やし方について、具体的な手順から失敗しないためのコツまで詳しく解説しました。
- 増やし方は2種類:「挿し木」と「株分け」があり、どちらも初心者でも挑戦しやすい。
- 最適な時期:植物の成長が活発な5月〜8月に行うのが成功の秘訣。
- 大切なのは清潔さ:作業に使うハサミは必ず消毒し、病気を防ぐ。
- アフターケアも忘れずに:増やした後の親株・子株ともに、優しく見守ることが大切。
「難しそう」「枯らしてしまったらどうしよう」と感じていた方も、正しい手順と少しのコツさえ知っていれば、きっと大丈夫です。
この記事を参考に、ぜひあなたのお気に入りのフィロデンドロン・バーキンを増やすことに挑戦してみてください。
自分で増やした植物が元気に育ち、お部屋を彩っていく姿は、何物にも代えがたい喜びを与えてくれます。
あなたのグリーンライフが、より一層豊かなものになることを願っています。