フィロデンドロンバーキンが徒長して広がる原因と対処法を完全解説

フィロデンドロンバーキン 徒長 広がる

フィロデンドロンバーキンが縦に伸びすぎて倒れそう…

葉っぱが横に広がって見栄えが悪くなった

これって正常な成長なの?それとも何か問題があるの?

そう思う方もいるかもしれません。

実は、フィロデンドロンバーキンの徒長や広がりには明確な原因があり、適切な対処法を知ることで美しい樹形を維持できるんです。

この記事では、フィロデンドロンバーキンが徒長して広がる具体的な原因と見分け方、そして効果的な対処法について詳しく解説します。

この記事のポイント
  • フィロデンドロンバーキンが徒長・広がる根本原因は日光不足
  • 徒長と正常な株立ち成長の見分け方と判断基準
  • 剪定・仕立て直し・支柱を使った具体的な対処法
  • 美しい白い斑入りを維持するための管理のコツ
目次

フィロデンドロンバーキンが徒長して広がる原因と見分け方

フィロデンドロンバーキン 徒長 広がる

愛用しているフィロデンドロンバーキンの形が崩れて心配になっていませんか?

この章を読み進めることで、徒長や広がりの原因と正常な成長との違いが明確に理解できるようになります。

具体的には以下の内容について詳しく解説していきます。

  • フィロデンドロンバーキンが間延びする原因とは?
  • 徒長と正常な成長パターンの見分け方
  • フィロデンドロンバーキンが大きくなるとどうなる?
  • フィロデンドロンバーキンの気根と幹立ちの特徴

まずは原因から一つずつ確認していきましょう。

フィロデンドロンバーキンが間延びする原因とは?

フィロデンドロンバーキン 間延び

フィロデンドロンバーキンが間延びして見栄えが悪くなる最も大きな原因は、日光不足による徒長です。

徒長とは植物の茎や枝部分が間延びし、ひょろひょろと細長い姿に成長する現象を指します。

この現象が起こるメカニズムを理解することが重要です。植物は光合成をするために日当たりのよい環境を求めますが、長く暗い環境や日当たりが悪い環境で育てると、日光を求めて自ら茎や枝を伸ばします。

しかし問題なのは、光合成ができず成長に必要な栄養分が少ない状態で伸びるため、ひょろひょろと細長く見栄えが悪い姿に育ってしまうことです。

特にフィロデンドロンバーキンの場合、耐陰性があるので室内の明るい場所であれば十分に育ちますが、日差しの入らない暗すぎる場所では生育がよくありません。

そのため、日当たりの悪い場所で育てると葉色が悪くなったり、徒長枝てヒョロヒョロとした見た目になってしまうという悪循環に陥ってしまいます。

徒長が起きているかどうかを判断するには、茎や枝がひょろひょろと軟弱に育っていないか確認することが大切です。健康な株と比べて茎が細く、葉と葉の間隔が広がっている場合は徒長の可能性が高いでしょう。

徒長と正常な成長パターンの見分け方

フィロデンドロンバーキン 徒長

フィロデンドロンバーキンの成長状態を正しく判断するためには、徒長と正常な成長パターンの違いを理解しておく必要があります。

まず理解しておきたいのは、フィロデンドロンバーキンはフィロデンドロン・ロホコンゴの突然変異で、他の種と違って蔓を伸ばして登ったり、地面を這ったりせず、株立ちという成長タイプの植物であることです。

徒長した状態と正常な成長パターンを比較してみましょう。

項 目徒長した状態正常な成長パターン
茎の状態ひょろひょろと細く、弱々しい印象しっかりと太く、適度な硬さがある
葉の間隔葉と葉の間隔(節間)が極端に広がっている適度な間隔を保っている
全体バランスバランスが悪く、倒れやすい状態安定した株立ちで自立できる
葉の色・模様葉の色が薄く、斑入りの模様も不鮮明純白葉・斑入り葉・緑葉のグラデーション
葉の質感薄く、張りがない肉厚で艶があり、個体差による斑の違いを楽しめる
気根出にくい、または貧弱健康な気根を生やし、ユニークな見た目
成長の変化単調で変化に乏しい新芽が白から徐々に濃いグリーンに変化

見分ける際のポイントとして、バーキンの葉は、生長とともに白の斑点が少なくなり緑色がより深くなっていくという自然な変化があることも覚えておきましょう。この変化は正常な成長過程であり、徒長とは異なります。

フィロデンドロンバーキンが大きくなるとどうなる?

フィロデンドロンバーキン 大きくなる

フィロデンドロンバーキンの将来的な成長を理解することで、現在の状態が正常かどうかを判断できるようになります。

商業施設で3メートルくらいに育ったものを見かけますが、幅も広く、場所を取りますという実例があるように、バーキンは相当大きく成長する可能性を持っています。

また、10cm~2mの大きさで流通していて、成長すれば10mまで大きくなるものもあるというのが本来の姿です。

成長段階での変化として重要なのは、ある程度成長すると株元から気根も生えてくることです。この気根は植物が健康に育っている証拠であり、この気根を立派に育てるのもフィロデンドロン・バーキンの楽しみの1つとされています。

フィロデンドロンバーキンはどのくらい大きくなるのかはこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

大きくなるにつれて起こる自然な変化には以下があります。

大きくなるにつれて起こる自然な変化
  • 成長とともに斑入り模様の葉は減少する傾向
  • 株元が木質化して茶色くなる
  • 葉のサイズが大きくなり、より存在感が増す
  • 気根が目立つようになる

重要なのは、これらの変化が正常な成長過程であり、徒長による問題ではないということです。

健康な成長であれば、葉はしっかりとした厚みを保ち、美しい斑入り模様も維持されます。

フィロデンドロンバーキンの気根と幹立ちの特徴

フィロデンドロンバーキン 気根 幹立ち

フィロデンドロンバーキンを正しく理解するためには、この植物特有の気根と幹立ちの特徴を知っておくことが大切です。

気根の役割と特徴

多くのフィロデンドロン種が幹から気根を伸ばし、木に絡みつくように成長することから、この名前が付けられました。気根は植物が自然環境で生きるために必要な器官で、気根の強さと耐陰性が備わっているため丈夫に育ちます。

バーキンの場合、成長とともに茎の節部分から白っぽい気根が出現します。これは健康な証拠であり、決して病気や異常ではありません。むしろ、気根が出ていることは植物が順調に成長している証拠です。

幹立ちの特徴

バーキンは直立タイプなので、高さに余裕のあるスペースに置いて育てると管理しやすいという特徴があります。他のフィロデンドロンとは異なり、つる性ではなく株立ちで成長するため、支柱への誘引は基本的に必要ありません。

ただし、成長とともに茎が長くなると重心が高くなり、バーキンはグラつくのは根張り以上に性質によるものであり、生育には特に問題は無い状態になることがあります。これは徒長とは異なる、バーキン特有の成長パターンです。

気根を活用した管理方法として、支柱を立てる場合は気根を支柱に絡ませることで、より自然な仕立て方ができます。また、植え替え時に気根を土に埋めることで、株の安定性を高めることも可能です。

フィロデンドロンバーキンの徒長・広がる時の対処法

フィロデンドロンバーキン 徒長・広がる

徒長や広がりの原因がわかったら、今度は具体的な解決策を知りたいですよね。

この章で紹介する対処法を実践することで、美しい樹形を取り戻すことができます。

具体的には以下の方法について詳しく解説していきます。

  • フィロデンドロンバーキンの剪定方法とどこを切るべきか
  • フィロデンドロンバーキンの仕立て直しのやり方
  • フィロデンドロンバーキンの支柱を使った対処法
  • フィロデンドロンバーキンの株分けによる対処法
  • フィロデンドロンバーキンが白くならない時の対処法

それでは順番に確認していきましょう。

フィロデンドロンバーキンの剪定方法とどこを切るべきか

フィロデンドロンバーキン 剪定

徒長してしまったフィロデンドロンバーキンを美しく整えるためには、適切な剪定が欠かせません。

剪定の最適なタイミング

フィロデンドロンの剪定に適した時期は5月~6月です。7月~10月でも剪定はできますが、生育期であれば、剪定後にすぐに新芽が出てくるので傷みが少ないという特徴があります。5月~6月の早い時期に剪定をすると新芽が生えやすく、回復が早くなりますため、この時期を狙って作業を行いましょう。

逆に、冬場はダメージが大きいため、剪定は避けるようにしてください。完全に枯れてしまった茎や枝を落とす程度に留めておくことが重要です。

どこを切るべきか

剪定箇所の判断基準は以下の通りです。

  1. 徒長した茎:他の茎と比べて極端に長く伸びた部分
  2. 軟弱な茎:ひょろひょろと細く、手で触ると柔らかい茎
  3. 古くなった下葉:黄色く変色したり、元気がなくなった葉
  4. バランスを崩している部分:全体の形を乱している箇所

切る位置については、フィロデンドロンの茎にある節を2つ以上残して、茎をカットします。節は葉っぱの付け根の辺りにありますことを覚えておきましょう。この節から新しい芽が出てくるため、必ず節を残すことが成功の秘訣です。

剪定時の注意点

作業を行う際は安全面に注意が必要です。フィロデンドロンはサトイモ科の植物で、樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれています。体質によって、皮膚の炎症を起こす可能性があるのでゴム手袋をして剪定してください。

また、茎を切るときには、雑菌が切り口から侵入するのを防ぐために清潔な刃物を使用することも大切です。

剪定後の管理

剪定を行った後は、切り口から病気が入らないよう注意深く管理します。水やりは控えめにし、明るい日陰で様子を見ながら新芽の出現を待ちましょう。

フィロデンドロンバーキンの仕立て直しのやり方

フィロデンドロンバーキン 仕立て直し

徒長や形の崩れが深刻な場合は、思い切った仕立て直しが必要になることもあります。

以下のような状態になったら仕立て直しを検討しましょう。

仕立て直しが必要な状況
  • 株元がスカスカになって見栄えが悪い
  • 茎が極端に長くなり、支えなしでは倒れてしまう
  • 全体のバランスが著しく崩れている
  • 下葉が落ちて茎だけが目立つ状態

フィロデンドロンの仕立て直しでおすすめなのが切り戻しです。切り戻しとは剪定の一種で、伸びすぎた部分を切ることで樹形を整える方法です。

具体的な手順は以下の通りです。

STEP
準備

春から秋の暖かい時期で、目安は15度以上、できれば20度あると切り戻し後の回復もスムーズに進みます。

STEP
切り戻し

伸びすぎた茎やツル、枯れてしまった葉などを切り落とし、若い葉や茎を残して、全体を短く刈り込んで再成長を促します。

STEP
摘心の実施

伸びたつるの先端についた芽を摘むことで、脇芽の成長を促し、成長するにしたがってボリューム感が出る

仕立て直し後は植物が大きなストレスを受けているため、特に丁寧なケアが必要です。直射日光を避け、適度な湿度を保ちながら、新芽が出るまで辛抱強く待ちましょう。

フィロデンドロンバーキンの支柱を使った対処法

フィロデンドロンバーキン 支柱

徒長によって茎が弱くなったり、株が倒れやすくなった場合は、支柱を使った対処法が効果的です。

フィロデンドロンバーキンは本来株立ちの植物ですが、以下のような状況では支柱のサポートが有効です。

支柱が必要な状況
  • 茎が長く伸びて自立できない
  • 重い葉によって株が傾く
  • 気根を活用した自然な仕立てにしたい

支柱の種類と選び方としては、「モスポール」「登り棒」「ココヤシ繊維の支柱」「ヘゴ支柱(ヘゴ棒)」「不朽杭」「自作支柱をDIY」などから適切な用途・サイズに合ったものを選ぶことができます。

バーキンの場合、とてもゆっくり成長する印象なので、50cm支柱で1年くらいは余裕で過ごせるという特徴があります。そのため、最初は小さめの支柱から始めて、成長に合わせて大きなものに交換していくのが現実的です。

支柱の設置方法の手順は以下の通りです。

STEP
位置決め

株の中心近くに支柱を立て、茎を傷つけないよう注意

STEP
固定

ソフトタイ等を使って茎を支柱に優しく結ぶ

STEP
気根の活用

出ている気根を支柱に絡ませることで、より自然な見た目に

支柱使用時の注意点としては、支柱に頼りすぎると茎が弱くなることがあることです。必要最小限のサポートに留め、植物自身の力で立つことも促すようバランスを取りましょう。

フィロデンドロンバーキンの株分けによる対処法

フィロデンドロンバーキン 株分け

株が大きくなりすぎた場合や、仕立て直しと併せて新しい株を作りたい場合は、株分けが有効な対処法となります。

株分けのメリット
  • 親株の負担を軽減できる
  • 新しい株を増やすことができる
  • 株全体のバランスを整えられる
  • 根詰まりの解消につながる

フィロデンドロンバーキンの株分けの適期は、挿し木や株分けで増やすのが一般的で、成長期の4月下旬から7月を目安に行いますという時期が最適です。

株分けの手順は以下の通りです。

STEP
準備
STEP
株の取り出し

鉢から株を慎重に取り出し、根の状態を確認

STEP
分割

自然に分かれる部分を見つけて、清潔なハサミで根を切り分ける

STEP
植え付け

それぞれを新しい鉢に植え、しばらく日陰で管理

分けた株は通常の株よりもデリケートになっているため、直射日光を避け、水やりも控えめにして根の回復を待ちます。新芽が出始めるまでは肥料も控えましょう。

フィロデンドロンバーキンが白くならない時の対処法

フィロデンドロンバーキン 白くならない

フィロデンドロンバーキンの魅力である白い斑入りが出なくなった場合の対処法について解説します。

白くならない主な原因は以下のとおりです。

白くないらない主な原因
  • 日照不足
  • 株が大きく成長しすぎた
  • 栄養状態の変化
  • 季節的な要因

白い斑が少なくなった場合は、適度な日光に当てる、根の大きさを制限して負荷をかけるなどの方法で対処すると斑入りの葉が生えてくる可能性が高いとされています。

光環境の改善

光が強い方が、新芽の白斑がきれいにでますという特徴があるため、置き場所の見直しが最も重要です。ただし、直射日光は避け、半日陰といわれる、直射日光の当たらない明るい場所が適していることを忘れずに。

根域制限による刺激

大きく育ちすぎた株では、根の成長を制限することで植物にストレスを与え、斑入りの葉を出させる方法があります。これは一回り小さな鉢に植え替えることで実現できます。

季節による変化の理解

バーキンの葉は、生長とともに白の斑点が少なくなり緑色がより深くなっていくという自然な変化があることも理解しておきましょう。完全に斑がなくなるわけではなく、新芽には再び美しい斑が現れることが多いです。

管理方法の見直し

水やりや肥料の与え方も斑の出現に影響します。窒素過多になると葉が緑になりやすいため、肥料は控えめにし、リン酸やカリウムのバランスを重視した配合を選びましょう。

これらの対処法を組み合わせることで、フィロデンドロンバーキンの美しい斑入り葉を再び楽しむことができるでしょう。

フィロデンドロンバーキンが徒長して広がる原因と対処法のまとめ

フィロデンドロンバーキンが徒長して広がってしまう問題は、決して育てるのが特別難しい植物だからというわけではなく、適切な管理方法を知ることで十分に解決可能な問題と言えます。

この記事で解説してきたポイントをまとめると、以下のようになります。

まとめ
  • 日光不足による徒長が最大の原因:室内の暗い場所で育てると、光を求めて茎が間延びしてしまう典型的な徒長現象が起こる
  • 株立ちタイプの成長特性:つる性植物と違い、直立して成長するため、適切な環境なら支柱なしでも自立できる
  • 正常な成長との混同:気根や茎の伸長は健康な証拠であり、徒長と区別して理解することが重要
  • レースカーテン越しの光が理想:直射日光は葉焼けの原因となるが、明るい間接光は必須条件
  • 剪定タイミングの重要性:5月~6月の成長期初期に行うことで、回復が早く新芽も出やすい
  • 節を残した切り方:茎の節部分から新芽が出るため、必ず節を2つ以上残して剪定する
  • 樹液の毒性への注意:サトイモ科植物特有のシュウ酸カルシウムを含むため、ゴム手袋着用が必須
  • 仕立て直しの効果:思い切った切り戻しにより、株全体のバランスを取り戻すことが可能
  • 支柱の適切な使用:本来不要だが、徒長した株の一時的なサポートとして有効
  • 白い斑入りの維持:適度な光量と根域制限により、美しい斑入り葉を維持できる
  • 株分けによる更新:大きくなりすぎた株は分割することで、親株の負担軽減と新株の確保が同時に可能
  • 季節に応じた管理:成長期と休眠期で水やりや肥料の頻度を調整する必要性
  • 個体差による斑の違い:同じバーキンでも個体によって斑の入り方が異なり、それぞれの個性を楽しめる
  • 気根の活用方法:健康な証拠である気根を支柱に絡ませることで、より自然な仕立てが可能
  • 環境変化への敏感さ:置き場所の変更や管理方法の変化に敏感に反応するため、一度安定したら環境を維持する

これらの理由から、「フィロデンドロンバーキンが徒長して広がる」問題に対しては、「適切な光環境と正しい剪定方法を理解することで、美しい樹形を維持できる魅力的な観葉植物」と結論付けられます。

徒長や広がりでお悩みの方は、まず置き場所の見直しから始めて、必要に応じて適切な時期に剪定を行うことで、きっと美しいフィロデンドロンバーキンを楽しむことができるでしょう。

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